◇特別連載企画
USB接続型ワンセグチューナー性能比較(6) 「感度比較」
テレビとして画質は確かに大切だけど、それ以前に受信できなくては意味がありません。
そこで今回は電波の掴み具合を見ていきたいと思います。
最初に各部屋での受信可能状況を、最後の方ではブースター+室内アンテナによる放送波簡易再送信設備(手製)による電波の掴みやすさと離しにくさ等の比較をしていきます。
ではまず各部屋の測定結果から。
今回は自宅を以下の区分で分けて測定してみました。
一つ一つの部屋にA,B,C…と振っていき、それぞれの部屋ごとに測定しました。
室内ではさらにいくつかのブロックに分けて測っていき、室内の電波環境を挙げていきます。
また、測定結果は×・△・○の三種の記号で表し、その凡例は以下の通りです。
・× : 放送波の受信不可
・△ : コマ落ち、受信不可と可が頻繁に切り替わるような状態
(静止時受信可だが、移動するとダメという場合もこれに該当)
・○ : 電解強度も安定し、多少動かしても視聴に影響がない状態
なお、ブロック内で結果に振れがある場合はブロック中心点での測定結果となります。
それでは順に見ていきましょう。
■A室(5畳)
電波塔が見える部屋から繋がるドアのある右下のブロックを除き、基本的にちょいテレは受信できませんでした。
好感度アンテナに付け替えて廊下近くへ持って行くと比較的安定したものの、あまり実用的ではありません。
逆にSEG CLIPは全域で使えていました。
一部陰になるところを除けばデータ放送、字幕共に殆どとぎれる事もなく、寝ながらテレビとかいろいろできそうです。
なお、W43Hでは難なく見る事ができました。
携帯電話って感度良いねぇ。
■B室(玄関)
ここは玄関です。
外と通じる場所なので電波の通りが良いかと思われるかもしれませんが、金属製の重厚な扉に加えて出口は電波塔とは逆の方向を向いているため受像環境としてはあまりよくありません。
ただそれでも電波塔が見える部屋とすぐ隣り合わせで、なおかつそことの境はガラス窓の入った扉となっているので思いの外、電波の受信はできましたよ。
まぁ、玄関で見る事はないとは思いますが、一応使えました。
こちらもW43Hでは問題なしです。
■C室(自室・6畳)
自分の部屋になります。
ブースターと室内アンテナを組み合わせて室内に放送波を送り出す装置を構成しているため、基本的にはどの場所でも受信可となりますが、それではチェックができません。
従って今回の測定結果は、その送り出している放送波を止めた状態でのものとなります。
こちらもA室同様ちょいテレはほぼ全滅。
かろうじて入り口付近に高感度アンテナを設置すれば何とか見られるかなといったところでしょうか。
……でもそんな中でもSEG CLIPはなかなか良い結果を出してくれていますね。
ロッドアンテナの最大長は短いのに、意外と感度が良いものだとちょっと感心しました。
W43Hのワンセグでも流石にコマ落ちする場面が見られましたよ。相当電波状況悪いねぇ……。
■水回り全域
D室は洗面所、E室はトイレ、F室は浴室です。
洗面所はG室と繋がっているため多少は開放感がありますが、トイレと浴室はもう完全にふさがれた環境ですね。
……という事で例の如くちょいテレは全滅。
やっぱりダメなんだなぁ、と思いきやSEG CLIPの方はかなり良い感度で受信できています。
(・∀・)うーん、これは凄い。
風呂場で使う事はないですが、トイレなら腹痛で籠もったりする時に活用できますね。
ちなみにW43Hでもブロックノイズも起こる事なくきちんと受信できました。
どれだけ高感度なんだ、この携帯電話は……。
ていうか、ちょいテレが悪いって事なのかな?
■リビング等
G室はリビング、H室は和室です。
この2部屋は同じ結果なのでまとめました。
ここは窓から日本平の放送アンテナが見えるので、そこから入ってくる電波をモロに拾えるためかロッドアンテナだけで軽〜く受信できました。
窓から離れても全く問題なしです。
リビングでコタツに潜り込んで家族とは違う番組を見る……、こんな事も余裕ですね。
……以上、各部屋の受信状況でした。
ちなみにブースターを稼働させると隣り合うA室もその影響を受けて受信しやすくなるので、自宅内全域が完全にワンセグ天国となります。
ポータブルアナログテレビがあればそれも試してみたかったんですが、あいにく手元にありませんからねぇ。
ちょっと残念。
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ふう……。
では最後に両チューナーの電波捕捉性能を見てみましょう。
まぁ、両者とも受信レベルMAXならば安定しているんですが、ワンセグの仕様上電波が弱くなると“受信できません”といった状態になってしまいます。
アナログならばノイズが増えるだけの状態でも映らなくなるのは仕方ありません。
ではその境目はどの辺りなのか……。
数回試した結果だと、ちょいテレの方は4段階表示のうち3以上で映像と音声が出てきます。
その後4になれば良いのですが、ならないで3のままだとたまに音声が途切れたり、映像がカクっとなったりします。
そして電波が弱くなってきて2くらいになるとまず音声が途切れ始め、次に映像。
最後に映らなくなるといった感じです。
チャンネルの切り替えは大体2〜3秒くらい。
この時電波が弱くなっているとそれまで見られていた場合でも受信できなくなる事もしばしばです。 SEG
CLIPの方はPHSの電界強度表示みたいに棒が5本立っていて0も含めると計6段階。
このうち、4段階(3本)以上で映像が受信できました。
ただ、これだとデータ放送の受信に失敗する事も多く、安定した受信をするためには4本以上必要かもしれません。
電波が弱くなってくると大体3本〜2本の辺りで選局中の表示となり、映像も音声も受信なくなりました。
映らなくなる過程はちょいテレと同じような感じなんですが、一度掴むとなかなか電波を離しません。
ちょいテレではあっさり“受信できません”となるような場面でも結構粘ってくれますよ。
こちらのチャンネル切り替えは大体5秒くらいかかります。
データ放送の受信完了時まで含めると7秒〜10秒くらいかかります。
ちょいテレと比べてちょっと遅いですね。 感度の良さか、小回りの利きか……。
どちらを選ぶかはその人の利用環境次第でしょうね。
目に見えない部分での違いって結構あるんですねぇ……。 |